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悪人正機を考える

 親鸞聖人の言葉を唯円という人がまとめたと言われる歎異抄という本に悪人正機という有名な言葉がある。歎異抄は、鎌倉時代に書かれた本だが、500年前に蓮如上人が封印をして普通の人はずっと読むことが出来なかった。

歎異抄が読まれるようになったのは明治に入ってからである。蓮如上人は、誤解されやすい内容なので、間違った考え方が流布されると危険だと判断したのだろう。でも、西田幾多郎や倉田百三、司馬遼太郎などが無人島に持っていきたい本の中に入れたいなどと絶賛している。

こんな一文である。「善人なおもて往生をとぐ いわんや悪人をや」。簡単に言うと、良い行いをした人が往生をとげることができるのなら悪人は当然、往生できるのだ、ということだ。

仏教では、亡くなると極楽浄土に行くと言われている。そこは、何の苦しみも悩みもなく桃源郷のような場所だと信じられている。逆に悪いことをした人は、地獄に落ちる。地獄は芥川龍之介の「蜘蛛の糸」に描かれた血の海や針の山だ。悪いことをすると閻魔様に地獄に落とされる、だから悪いことをしたらダメだよと私も小さいことから言われてきた。お寺に地獄絵図があるのはそのためだ。


悪人正機は、それと全く逆のことを言っている。
仏様の教えに五戒というものがある。①不殺生(生き物を殺さない)、②不偸盗(盗まない)、③不邪淫(みだらな関係を結ばない)、④不妄語(嘘をつかない)、⑤不飲酒(酒類を飲まない)。これはやってはならないと言われている。

善人が極楽浄土と言う桃源郷に行けるのなら、税金をちょろまかして裏金で私腹を肥やしても、妻子ある男と不倫しても、出ていない大学を出ていると嘘をついても、人を殺しても極楽浄土に行けるということである。倫理観の崩壊である。世の中悪人だらけになってしまう。蓮如上人はこれを恐れたのである。

浄土真宗の宗祖の親鸞聖人が、こんなことを言ったのだとすると大問題だ。唯円が間違って聞いたものが広まったのか、親鸞聖人はこんなことを考えていたのか。日本最大の宗派と言われている真宗の教祖がこんな考え方を持っているはずはない。では、何で親鸞聖人はこんなことを言ったのか。悪人正機は、元々は師匠の法然上人が言われた言葉だと言われている。ならば、浄土教の本質を言っているのではないのか。

浄土教とは

アンパンマンとバイキンマン、鬼太郎とねずみ男という悪役が人気者になっている
鉄腕アトムや鉄人28号、エイトマンには悪役のヒーローは出てこない



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