お好みの散歩コースに白山道の東光禅寺がある。小さな庭だが四季折々の木々が目を楽しませてくれる。住職とのちょっとした会話も楽しい。初老の品の良い女性がお墓の花に水をやっていたので、暑いですね、と言うと、逆に、昨日も来られていましたね、と話しかけられた。樹木葬の墓地を買ったのだと言う。こんなに良いお墓なら、主人にも亡くなる前に話しておけばよかったと言われていた。その女性も住職のお人柄にひかれてここに通っているらしい。先日、住職にお寺の存在意義は何ですか、とお聞きしたら、お寺は地域のランドマークだと言われた。地域にとっては無くてはならないものということだ。
お寺を出てさらに白山道を歩くと右の階段を上ったところに白山神社がある。無人の小さな神社だが境内の日蔭にベンチが置いてあるので、そこでしばし休んで本を読むことにしている。
今日は「承元の法難」について読んだ。法然上人や親鸞聖人が後鳥羽上皇の逆鱗に触れて島流しに遭ったという事件だ。後鳥羽上皇は新古今和歌集の編纂などで有名だが、自分の意見に従わないものは排除するという性格の人だったらしい。関白だった九条兼実は罷免され、娘の任子(にんし)と共に法然上人のもと走り救いを求めた。自分の元部下だったものを法然上人が引き抜いたように捉えたらしい。でも、この事件がなければ、親鸞聖人が上越や関東で布教することができなかったかもしれず、歴史が変わっていた可能性もある。
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